金沢21世紀美術館

金沢という都市は、なぜか魅力がある。
そこに住む人達とは、同じ時間を共有し、同じ新聞・同じニュースを聞いているのになぜか、アイデンティティというか脈々と続く文化が街全体に浸透している感覚を覚えるのは、私だけではないだろう。
中世以降の「藩」という地方都市の単位の中で、加賀藩は、人口、面積、経済、人材育成や明治以降の産業転換など近代化の過程においてアイデンティティを壊すこと無く現代につなげることに成功した数少ない「藩」なのかもしれない。それは同時に、現代都市の規模にうまくスイッチしマッチさせたよい例なのかも知れない。
戦災を免れたのも大きな理由の一つであろう。古い街並みが残り、変わらぬ風景はそこに住む人々の間の伝承をより現実的なものとして受け継ぎ、自分達の「原点」として強く刷りこまれているに違いない。
兼六園を中心とした金沢城址周辺には多くの美術館や博物館が集積している。
これらの施設は、建物はもとより周辺の環境も大切であるが、金沢の美術・博物館群は、空間が品よく整理されている。
金沢21世紀美術館は、2004年にオープンした。
広い敷地の中にある円形をした建物の外壁は、ガラス張りで解放感があり、市民が自由に入れるスペースと展示室がうまく繋がって、一年を通じて賑わいが絶えることがない。収蔵品も若手芸術家の新しいものが多く、海外の著名な作家の作品も常設している。
人々に愛され、美術館の醍醐味である時空を超えた存在は


なんとも美しい

＜ La Pileta ：スイミング・プール＞ レアンドロ・エルリッヒ作

プールに見えるが、水は表面の10㎝だけ。ガラス張りの天井の下は地下室になっていて人が入ると不思議な光景になる

＜Blue Planet Sky ：タレルの部屋＞ ジェームス・タレル作

天井に空いた四角の窓からは、空が見え、夕暮れや夜でも鑑賞できる

同じ敷地内には茶室も建てられている

タグ：金沢 美術館 DP1

コメント 3

金沢…いい街ですねえ。古い町並みや文化・伝統と、21世紀美術館のような新しいものが共存してるところがまたいいですね。
by 21世紀中年 (2009-10-16 01:00) 

残念ながら、金沢には行ったことがなく、とっても行ってみたい場所です。
21世美術館は、いつもかなり面白そうな展覧会をやっていて、こちらもいつも気になってます。写真でしか見たことありませんが、建物も素晴らしいですよね。
あのような近代的な建物がうまく街にマッチしているのは、地方ならではなんでしょうな。空間のとらえかたが心地よさを生み出していると思います。
by cjlewis (2009-10-16 11:20) 

＞21世紀中年さま
そうですね、ゆっくり歩いてきょろきょろしたい街ですね。。
＞cjlewisさま
北陸は暗いと思っていましたが、さにあらず、、光が溢れていました。春なんかいいんだろうなぁ。。
by esme (2009-10-16 22:07)