直島 =瀬戸内中年写真団= [地域]

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21世紀中年さんとのコラボの最後は、「直島」。民家の庭先に蛸が舞う。



岡山県と香川県に挟まれた瀬戸内海に直島はある。
岡山側の玉野と香川側の高松の間は約18㎞、直島は玉野(宇野港)から約2㎞、高松(高松港)から16㎞と圧倒的に岡山県に近い場所にあるにも関わらず、行政区は「香川県」である。岡山駅から玉野まで電車で1時間くらいかかることを考えると、空港も近い高松からのアクセスが便利ということもあるが、この島が香川県であることに大きなナゾが残る。歴史を紐解くと、天領であったことも原因であろうか、岡山と香川の境を決めるのに桶を流したという逸話も残る。広さが14㎦と逗子・葉山(17㎦)より少し狭いぐらいの土地に3,400人が住む。

この島は犬島同様、明治から銅をはじめとする金属精錬を三菱によって行われ、現在も島の北側に三菱マテリアルの高い煙突がそびえている。現在は、記憶にあたらしい直島と小豆島のほぼ中間にある「豊島」の産廃不法投棄問題を受け、「エコアイランドなおしま事業」と銘打ち、産業廃棄物のリサイクル事業も大規模に展開し、時代の最先端を行く施設として見学者が絶えない。

直島が脚光を浴びるのは、島の南側を中心としたエリアに1989年(平成元年)岡山県発祥のベネッセコーポレーション(福武書店)と安藤忠雄氏による「直島文化構想」がスタートし、1992年(平成4年)にベネッセ・ミュージーアム建設、1997年(平成9年)フェリー埠頭のある宮ノ浦と反対側の町役場がある本村地区を中心に展開される「家プロジェクト」の開催、2004年(平成16年)に完成した「地中美術館」と、平成に入って矢継ぎ早に『アート』を中心とした新しい「直島』が、私たちの前に姿を現すようになってからである。
先の「犬島」同様、島嶼での生活には不安も多く大変厳しい状況が想像に易い。産業基盤としての企業城下町という形は維持しながらも、「観光アート」という価値が、農作物が育ちにくいこの島の「産業」として、次第に大きな地位を占めるようになってきた。

今回の直島訪問は、上記で述べた美術館等を見るためでなく、犬島移動時間と岡山への帰路に付く時間の合間を上手に使って、宮ノ浦の背後の街をぶらつくことと、「直島銭湯 I ♥湯」を見学することにした。

「直島銭湯 I ♥湯」は、2009年(平成21年)7月26日にオープンした。このプロジェクトも㈶直島福武美術館がプロデュース・建設し、地元NPOが管理運営を行う事業である。デザイナーは、大竹伸朗氏(おおたけしんろう)54歳の現代美術のアーティストである。作品というか、施設というか、、アートという「非日常」と、銭湯という「日常」が一体化し、『作品』として仕上がっている。今回は、時間配分の都合と12月中旬の寒きおり、帰路長旅の「湯冷め」に躊躇し、番台のお母さんと話をするに留めたのは、残念であるが、外観を見て回るだけでも十分楽しめた。
街並みもこじんまりとして、なかなか趣がある。

なんとも美しい

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古い民宿も残る

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「直島銭湯 I ♥湯」なんとも・・奇抜!!施工はスーパーゼネコン鹿島建設

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船の廃材や海にちなむ部品も作品に様変わり

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グッズも取りそろえています。手拭い買いました・・

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宮ノ浦フェリー乗り場

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フェリーに乗せた車

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船のファンネルを覗くと太い排気管が・・

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瀬戸内海に沈む夕日、美しい。。

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21世紀中年

esmeさん、ご苦労様でした。今回は、何枚か、かぶるどころか、ほとんど一緒の写真があるみたいですね(笑)。これもまたよしということで。
次回の企画を進めましょう。

by 21世紀中年 (2010-01-11 23:09) 

esme

>21世紀中年さま
確かに!!面白いもんですね。。被写体が限られ、同じ時刻に一緒に回ったからかなぁ。。
by esme (2010-01-11 23:23) 

tacit_tacet

香川出身なので、子供の頃よく訪れた懐かしい島です。
正月帰省できなかったので、とても感慨深く拝見しました。
フェリーも随分と久しく乗っていないな…
by tacit_tacet (2010-01-11 23:29) 

cjlewis

「観光アート」という考え方はいいですね。
長らく地方の過疎化が問題になっていますが、
観光資源が乏しい地域などは、
どんどんこういうことを取り入れて
活性化していくと日本はもっともっと広く
楽しめる国になっていきそう。
by cjlewis (2010-01-12 14:41) 

kakasisannpo

蛸が風の中を泳いでいる

ここの蛸は美味しいですね
by kakasisannpo (2010-01-12 21:47) 

gyaro

空に蛸、こうも情緒が出るものかとひとり唸ってしまいました☆
フェリーのお写真が好きです^^
by gyaro (2010-01-12 22:13) 

esme

>tacit_tacetさま
コメントありがとうございます。
一連の島めぐりの前日は、高松に入って一泊しました。讃岐うどんを昼・夜と二度も食べました。名前を忘れましたが・・、フェリー通りの夜遅くまで開いてるうどんやさんの「カレーうどん」めちゃめちゃ美味しかったです。
>cjlewisさま
島のには、僕たちに有る物が無くて。僕たちに無い物が沢山あります。たまに、そうした現実を確認するために行くことも必要かもしれません。「アート」をきっかけにして・・・
>kakasisannpoさま
直島でお昼ご飯食べたんですが、「うどん」が美味しくて、ここでも食べてしまいました・・・・蛸食べたかった・・・。
>gyaroさま
コメントありがとうございました。狭い路地を歩いていたら、目の前に「凧」じゃない「蛸」。でも、そんな風景が似合う場所でした。
>フェリーのお写真が好きです^^
ありがとうございます!!!
by esme (2010-01-12 22:58) 

八犬伝

ここは、どこら辺なのかなと思っていたら
豊島の名前で、大雑把な見当がつきました。

「直島銭湯 I ♥湯」とは、実にいいネーミングですね(^^)v
by 八犬伝 (2010-01-12 23:15) 

esme

>八犬伝さま
コメントありがとうございます。
「直島銭湯 I ♥湯」は、地元の人たちでにぎわってるそうです。風呂場の中にも象のオブジェがあったりして、銭湯に入ってるお客さんまで「アート」の一部だったりして・・・それはそれは楽しいみたいです。

by esme (2010-01-13 22:49) 

opas10

はじめまして。空に凧が舞う ならぬ蛸が舞う、の構図にすっかり心奪われました。日銀や歌舞伎座などワタクシの大好きな建築物も取り上げられているので、これからも訪問させていただきます!!
by opas10 (2010-01-16 13:25) 

esme

>opas10さま
御訪問ありがとうございます。
貴blogにもちょくちょくお邪魔させていただきます。
よろしくお願いいたします。
by esme (2010-01-17 21:03) 

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