明治屋 京橋ビル

明治屋と言えば「Myジャム」「シロップ」などが頭に浮かぶ。しかしながら創業は古く、明治18年（1885年）である。三菱の源流企業である海運業「郵便汽船三菱会社」（現：日本郵船株式会社）の発展とともに船用の食品雑貨を手掛けたのをきっかけに、麒麟麦酒（旧ジャパン・ブルワリー社）の販売、コカ・コーラ、缶詰など、欧米の食料品や嗜好品を日本に広めただけでなく、当時は画期的であった清酒の壜詰「月桂冠」の販売・流通も一手に手がけた。 現在も、船舶用食品雑貨の取扱い、食料品・酒類輸入をはじめとする老舗高級ストアーを営み、「憧れの食材」を供給し続けている。

地下鉄銀座線「京橋」の出口の一つは、明治屋ビルの中にある。 銀座線は日本で最初の地下鉄というだけでなく、事業家であった早川徳次が私財を投げ打った大事業（浅草⇔新橋間）でもある。銀座線を注意深く見ると、大手百貨店の下に駅が多い。これは、建設資金をそれらの老舗店から調達したためである。明治屋もその一つである。

中央区民文化財に指定されたこの建物は、関東大震災後に横浜から京橋へ本店を移した昭和8年（1933年）に竣工。その後、戦災の災禍をきり抜け今も堂々とたたずんでいる。設計は、現存建築が少ない曾禰達蔵の秀作である。 なんとも美しい。

タグ：東京 京橋 建築構造物 DP-1

コメント 3

特に一枚め…なんとも美しい
ブログのコンセプトがだんだん見えてきました。その方向性、おおいに期待してます。
by 21世紀中年 (2009-09-04 06:52) 

明治、大正～戦前の近代建築は重厚で美しいですよね。しかも堅牢。
このような建物、大切に保存していってもらいたいものです。
by cjlewis (2009-09-04 16:36) 

＞21世紀中年さま
コメントありがとうございます。いつまで続くやら・・・キョロキョロしながら街を歩く習慣が・・下関や長崎なんかも行ってみたいですね。頑張ります。
＞cjlewisさま
いつもありがとうございます。
多少の不便さがあるとしても、これらの建物は「現役」で使われています。いつまでも大切にしてほしいですね!!
by esme (2009-09-04 18:41)