日本銀行本店（旧館） [建築構造物]
普段、入る機会のない日本銀行本店 旧館の内側を見ることができた。
言わずと知れた、私たちが使う通貨を発行する日本の中央銀行である。その重厚な石造りで威厳に満ちた建物は、辰野金吾によって設計された。辰野金吾は東京駅の設計者としても知られている。
江戸時代、この場所には「御金改役所」いわゆる「金座」が置かれ、金貨鋳造の事務と鑑定、通用停止金貨の交換、上納金の包封を行っていた。ひらたく言えば大判・小判の金貨を作り管理する工房が集まっていた場所である。当初は「銀」も扱っていたが、1705年（宝永2年）に銀座を分けた。その後明治の時代になり、造幣局を他の場所に設置したことにより金座は廃止される。
中央銀行としての「日本銀行」は1882年（明治15年）に設立するが、当初からこの場所にあったわけではない。創業の地は、日本橋川下流、隅田川との交差部近くの旧北海道開拓使出張所（現在の日本IBM箱崎ビルの脇）に設置された。
そして、1896年（明治29年）今、私たちが目にしているこの建物が建設された。
正門の横にある通用門をくぐると、目の前にぽっかりと中庭が現れる。四方を石造りの建物に囲まれているせいか、外界の空気を感じない。まったくの異空間が広がっている。かつて、ここを訪れる銀行関係者は馬車で来たそうだ、馬の蹄が石畳を蹴るたびにこの空間に響いたことであろう。馬用の水飲み場も当時のまま残っていた。
建物に入ると営業場がある。入ることはできないが、ガラス越しに見る建物の内部は今まで見てきた古い建物同様、いや今までの建物の中でも群を抜く。見学を終え、再び中庭に出て後ろを振り返る。
なんとも美しい
馬のための飲み口が下についている
おお、ここが銀行の銀行、キング・オブ・バンク、日本銀行ですか。
地下の大金庫には金塊とかがザックザックなのだろうか。
ところで、向かいにある貨幣博物館も一見の価値ありですよ。
by 21世紀中年 (2009-11-18 01:07)
渋谷や新宿方面からお濠を回って来ると、ここの横の道を通るのがウチに帰る最早ルートだったんで、昔はよくクルマの中から眺めては、かっこいいなあと思ってました。闇に浮かびあがる、重厚な建物は、私などが足を踏み入れることは恐れおおい、そんな威厳に満ち溢れていた記憶があります。
想像していたとおり、中は、フェイクなものは微塵もない、ヨーロッパのようなたたずまいですね。
一般人も見学が許されているんですか？それとも、特別な許可が必要？
by cjlewis (2009-11-18 13:15)
＞21世紀中年さま
貨幣博物館も是非訪れてみたいと思ってます。。日銀本店見学では、お土産に「アウトレット札」でも頂けるのかと思いました・・・大金庫の「金のインゴット」は移動させたそうです・・・
＞cjlewisさま
予約して見学することは可能です。HPからアクセスできるそうです。今回は年に一度の自由見学会だったようです。。なんだか横須賀や座間のアメリカ軍キャンプみたいですけど・・・・。
by esme (2009-11-18 14:06)
さすがに重厚ですね。
by こうちゃん (2009-11-18 21:57)
内部に入られたのですか、なんともウラヤマシイ！！辰野金吾の本館もさることながら、弟子の長野宇治平が手がけた別館も素晴らしいそうですね。
by opas10 (2010-01-16 13:32)